頭痛とは
誰しも1度は経験したことのある頭痛ですが、頭痛は主に器質的なものと機能的なものに分類されます。器質的とは何らかの病気によって現れる頭痛のことで、命に関わるとされるものです。具体的には脳卒中や脳腫瘍など脳の病気で現れる頭痛(二次性頭痛)のことを言います。一方の機能的頭痛(一次性頭痛)というのは、慢性的に繰り返す頭痛のことで命に関わらないとされるものです。主なタイプとしては、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。
多くの場合、一次性頭痛であることが多いですが、症状の出方が一次性と二次性ではっきり区別できるものではなく、また万一の可能性も考えられることから、慢性の頭痛に悩まれているのであれば、一度医療機関をご受診ください。一次性頭痛と二次性頭痛の主な種類は以下の通りです。
一次性頭痛(機能的頭痛)
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
二次性頭痛(器質的頭痛)
- 脳出血
- くも膜下出血
- 脳腫瘍
- 髄膜炎
- 高血圧
- 顎関節症
- 心身症
- 薬物乱用頭痛 など
一次性頭痛について
一次性頭痛は、繰り返し起きる頭痛が特徴なので慢性頭痛症とも言われます。頭痛そのものが治療対象で、痛みの現れ方などから主に3つのタイプに分類されています。
片頭痛
頭の片側もしくは両側にズキズキとした痛みが生じます。年齢によって症状の出方などは異なりますが、痛みの頻度は月2回ほどです。一度頭に痛みを感じると、数時間~1日ほど続きます。また痛み以外の症状としては、頭痛が出る前の現象として、視野の一部が見えにくくなる、フラッシュのような光が目の前で瞬くといったことがあります。
また発症の原因としては、セロトニンという血管を収縮する作用がある物質の過剰放出が考えられています。ちなみに片頭痛は20~40代の女性患者によく見受けられます。治療につきましては、トリプタン系製剤や鎮痛剤などを用いる薬物療法が中心で、静かな場所で安静に努めるようにすることも大事です。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、精神的・身体的ストレス、長時間うつ向くなど同じ姿勢を続けたことなどによって、頭や首の筋肉が緊張、収縮し、頭部などを支える筋肉が緊張することで発症すると考えられています。
痛み自体はそれほど強いものではないので、日常生活に影響が出るほどではありません。ただ、首から後頭部にかけての痛み、頭が締め付けられるような痛みは続きます。また一度痛み出ると、その症状は数時間~数日間ほど続きます。このほか、めまいや立ちくらみも人によっては起きることがあります。
緊張型頭痛のための治療というのはなく、まずはこの頭痛の原因とされるストレスを取り除くようにします。このほかにも、運動、マッサージ、入浴などによって筋肉の緊張をほぐし、血管を拡張していくことも大切です。また頭痛などの症状がひどい場合は、鎮痛薬や抗うつ薬による薬物療法を行います。
群発頭痛
群発頭痛は20~40代の男性患者に好発しやすく、片側の目の窪み付近からこめかみにかけて、まるで目がえぐられるような痛みを感じます。あまりの激痛から苦しみもがき回る患者様もいるほどです。そのほか、目の充血や涙、鼻水なども生じることがあります。
これらの症状が起きる原因としては、頭部の血管拡張が考えられています。それゆえにアルコールやタバコ(ヘビースモーカー)などが誘発要因ではないかと言われています。群発頭痛は一度発症すると1ヵ月ほど続き、毎日同様の時間帯(とくに深夜)で1時間ほど起きます。そして痛みがなくなったとしても、半年から数年が経過した後に、また同様の痛みに襲われます。
なお治療に関しては、トリプタン系薬剤などの薬物療法が有効です。
エムガルティについて
エムガルティとは
- 月1回注射する、片頭痛の「予防薬」です。発作回数を減らし、発作時の痛みも軽減作用があります。
- 片頭痛の「予防薬」とは、鎮痛を目的とするのではなく、頭痛の回数を減らす作用があるお薬のことをいいます。鎮痛薬ではありませんが、頭痛発作時の頭痛の強度が軽減できることもわかっています。
- 注射薬のため、月1回の通院が必要です。
エムガルティの効果は
- 臨床試験では慢性片頭痛や他の予防薬の効果が不十分な例で、片頭痛の日数が半減しています。
- 臨床試験で6カ月間の使用で片頭痛の日数が減った人の割合は下記の通りとなっています。
- 50%減:59% ・75%減:33% ・100%減:11%。
エムガルティの作用機序
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチドという物質)は頭の硬膜や三叉神経にあり、片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因物質です。エムガルティは、このCGRPの働きをブロックすることで、発作を減らし、頭痛を軽くします。
薬理学的な名称は「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤」といいます。「モノクローナル抗体製剤」とは、分子生物学的に「本来の目的のみを達成する極めて精密に設計された薬剤」であり、他に余計な作用を起こしにくいことが特徴です。つまり副作用が極めて少なく、非常に高い効果を見込めるのがエムガルティなのです。ただしどうしても注射が必要となります。
「モノクローナル抗体製剤」は細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産する必要があり、普通の薬と比べて、どうしても高価になってしまいます。
エムガルティの投与の実際
- 初回は2本注射し、翌月から、毎月1本ずつ注射します。
- 手、足、腹部のいずれかに注射します。
- 3か月で効果がなければ中止を考慮します。
費用について
- 保険適応です。3割負担の場合、1本あたり13,550円(元の薬価は45,165円)。
- 初月は2本使用します。
- その他、通常の再診料、注射処置料などがかかります。
主な副作用
- 注射部位の痛みや腫れ以外に目立った副作用はないようです。
- 注射部位疼痛:10.1%、注射部位の腫れ14.9%
- めまい、便秘、じんま疹:いずれも1%未満
- 院長
- 稲島 司(いなじま つかさ)
- 住所
- 〒115-0056
東京都北区西が丘3-17-10
西が丘サニーハイツ1階 102号室(※郵送物などは102号室まで記載お願いします。201号室など他室との間違えないようお気をつけください)
- TEL
- 03-5948-8970
電話受付は診療時間内のみとなります。
診療時間外は留守番電話となりますフリーWi-Fi完備
※パスワードは不定期に変更となりますので院内掲示をご確認ください。
- アクセス
- 国立西が丘サッカー場・
味の素ナショナルトレーニングセンター隣、
桜並木沿い
・電車
都営三田線「本蓮沼駅」より徒歩5分
・バス
赤羽駅西口バス4番乗り場から
【赤51】「池袋東口」行き
【赤57】「日大病院」行き
【57‐2】「大和町」行き
「HPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)北門(旧:国立西が丘競技場北門)」下車、徒歩1分
※駐車場はありません。車でお越しの際は近隣のコインパーキングなどご利用ください。 - 診療科目
- 内科、循環器内科、糖尿病内科、
呼吸器内科、リハビリテーション科
診療時間(2024年4月~)
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 | |
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9:00 ~ 12:00 |
院長 松村貴由 (自治医大 教授) |
院長 | 院長 石渡麻衣 (東大病院) |
院長 | 院長 須藤晃正 (日大板橋病院) |
院長 小山修平 (帝京病院) |
― |
15:00 ~ 18:00 |
院長 | 院長 第1・第3: 渡邊雄介 (帝京 教授) |
院長 真鍋雄二 (東大病院) |
― | 院長 須藤晃正 (日大板橋病院) |
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休診日:日曜、祝日